昨日のブログでご紹介したワークショップのテーマは「動的なサポートシステムと統合(Dynamic support system, Integration)」でした。
内容
初日には骨膜(こつまく, 骨の周りを覆う膜)が取り上げられ、そこを入り口にしたワークのインパクトの大きさにはとても驚きました。
一箇所への働きかけが全身に共鳴するあの質感はイールドの空間や文脈あってのこと。深い休息にもなり、統合というテーマにぴったりのスタート。
続いて、足部における動的なサポートのための構造、機能も紹介して頂き、そこを通して全身の統合や共鳴が高まることを自らの体験を通して実感。
三日目には、身体を通るラインと脳室の関係を対話を通して理解することができました。デモンストレーションは参加者全員が初めて扱うポジション(体位)でのワーク。10月のパオラ先生による脊椎のワークショップで紹介された解剖学的事実も踏まえたイールドの文脈での技法も紹介され、とにかく密度の高いセッション。アドバンストな構成に大変にインスパイアされました。
四日目には顔・頭部への働きかけも行いながら、それまでの内容を踏まえて統合を探求。
常にプラクティショナーの在り方や知覚についても確認や対話が行われ、一人一人が体現を深める機会になっていたように感じました。
濃密な経験、ともに場をつくること
今回のワークショップは、いつにも増して、習得する内容、起こる出来事の色合いが濃く、とても深かった。
最終日には私自身にも大きなプロセスがありました。
2006年4月のある出来事で私は顔を中心に大きなダメージを受けたのですが、お酒が入っていたこともありその瞬間の記憶が全くありませんでした。
これまでのトレーニングの過程で顔を扱ってもらい、一定の手応えを得ていたこともあり、それは私の中ではすっかり完了した出来事になっていました。
しかし2日目朝から何故か続いた顔の痛みは、どうもその時の衝撃を感じさせるもの。
最終日、私は田畑さんによるデモと午後の実習のペアのため2回ワークを受けたのですが、まさに、その出来事で身体が抱えこんでいたダメージが扱われることになりました。
記憶がなかったのはお酒が入っていたからではなく、当時の自分がフリーズしながら必死に”闘って”いたからでした。
今回、溜め込まれていた身体の動きや衝動が解放され統合されていく際に、当時の記憶がありありと蘇ってきました。
セッションの過程では、何人かの友人・知人がキーとなるリソースとして非常に心強いサポートを与えてくれました。存在を思い出しただけで温かい涙が出るほどなのに、15年以上交流もない人が多かったのも驚きました。数多くの仲間も温もりや力強さを与えてくれました。
たっぷりのリソースがあったからこそ、今回のプロセスを通り抜けることができた。
その意味では、2回のセッションでプラクティショナーを務めてくださった田畑さんや加藤さん、そして2回とも温かくオブザーブしてくれたイールダーズ。
彼らの在り方や関わりこそが、今回の僕にとっての動的なサポートそのものでもあり、おかげで統合に向かうことができました。
今回は参加者が7名だったこともあり、毎日の実習の最後は、誰か一人が全員に見守られながらセッションを提供した。このタイミングでこの7名が集ったことは今回のケミストリーの大きな要因だと思われる。
小松ゆり子さん、鈴木しのぶさんのお二人と”同期”として、Yielding Embodiment®︎ Orchestrationの8シリーズ提供イールダーとして認定されるタイミングだったこと。
2021年12月から参加し始めたRolf Movementのトレーニングの単位が揃い、認定されるタイミングだったこと。
そんな全てがぴたりとハマり、ターニングポイントになるほど濃密なワークショップを過ごしたように思います。
さて。この現場を経験したものとして、ロルフィング、イールドに勤しむのがまた楽しみになっています。